冠婚葬祭+オザケン
『私の冠婚葬祭に参列すると思って、チケットとるの手伝ってほしいの』と他人にお願い事をするのが苦手な私が、なりふりかまわず友人知人にお願いしまくった。小沢健二の13年振り復活コンサートは私にとっては人生における冠婚葬祭に匹敵する一大行事だった。
そして参列した私のひふみよ三部作。
1)5/21(金)仙台
仙台は終始まるで夢の中だった、実感がなかった。ただただ一緒に歌っていた。感動したのかどうなのかもわからない。翌日東京に戻って、日の明るいうちからずーっと寝ていた。オザケンの夢を見た。長い長い夢だったのかもしれん、、、。
2)5/25(火)中野サンプラザ
チケットが偶然手に入る事になった。会場に入る前に突然ものすごい風が吹きあれた。あぁこれは神風か、チケットを譲ってくれる人を待ちながら思った。席が前の方だったでオザケンの表情が見えた。いよいよこれは現実なんだと実感した。ギターをかき鳴らしながら左右にゆれる姿といい、拳を握ってギュッとする感じ、あの頃と寸分たがわぬ姿にただただ見とれた。オザケンの最後のトークで、涙が出た。
3)6/10(木)NHKホール
『僕がこのCDに望むのは、車の中や部屋の中やお店の中で、小さな音でもいいから何回かかけられることだ。歌詞なんかうろ覚えのままで口ずさんでもらったりすることだ。キャラバンは進むし、時間だって進んでいく、いつか近くで僕がライブをやることがあったら、来て一緒に歌ったり、踊ったりしてほしいと思う。』犬は吠えるがキャラバンは進むのライナーノーツをNHKの前日に読んだ。涙が出た。
NHKは自分で当てた唯一のチケットだった。3階席てのがちょっと不服だった。しかし、オザケンのおたけびと共に始まった流れ星ビバップで、不服な気持ちが消えた。天の定めなのだと思った。暗闇の階下に星のように光る誘導灯。うごめく観客の黒い影。涙があふれてとまらなかった。僕らが旅に出る理由の途中で突然ステージが明るく照らされ、2〜30m先の真正面にオザケンが立っていた。それは、完璧な絵だった。ひょろっと中央に立っているオザケン、まわりを取り囲む演奏メンバー、そして、熱狂する観客達。あぁ、夢にまでみたこれだー、この感じだー。
男性ファンの野太い”合の手”(愛の手?)がたまらなかった。流れ星ビバップでの「ヘイッ!ヘイッ!ヘイッ!ヘイッ!・・・・」とか、プラダの靴が♪の後にすかさず「ウォッーーーーー」。大きな愛を感じた。ブギーバック、ラップはいつものように皆で歌うんだわよね〜という気持ちでいたら、(といっても毎度毎度あのデッカイミラーボールが天井から静かに下りてくると、おおっと驚き、テンション高まる私。)青いうさぎTシャツ着た3人が突然どこからともなく飛び出してきた。スチャダラ登場の瞬間。会場が揺れた!普段クールを装っている私もぴょんぴょんはねて叫んでしまった。ものすごい熱気で、ステージは靄がかって見えた。
一曲一曲が終わり時間が過ぎていくのが寂しかった。擦り切れそうな程オザケンを聴いていた私、そして同じく、擦り切れそうな程オザケンを聴いていた他数千人の観客達が一堂に会して、そこで13年振りにひょっこり現れたオザケン本人が歌う。はぁ、これが”LIFE”なんだぁ。観客を巻き込んで10年越しの壮大な作品を見せられたような気がした。おまけに、アンコールを求める拍手がすごかった。誰かが指揮をとっているわけでないのに、素晴らしくリズムが合っている。しかも大きな拍手。あれほどまで息の合った拍手は初めてだった。恐るべしオザケンファン。
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