香港 2014秋―香港本―

香港に恋をして、香港の事を知りたくて知りたくて、色々な香港本を読んだ。そのいくつか読んだ香港本の中でも特に無我夢中になったのが、星野博美さんの『転がる香港に苔は生えない』という本だ。香港人の生々しい生活感がひしひしと伝わってくる。街の雑踏、急ぎ足の人々、信号の音、高速のエスカレータ、屋台で麺を頬張る男達、、、、彼らは皆、複雑な歴史的背景を背負って今をひたすら生きているのだ。植民地の中国の一部でありながら、イギリスの植民地となり、その植民地化のおかげで大きく発展したという複雑な歴史を背負った香港人達は、運命をそのまま受け入れ、ただただ一生懸命生きている。街全体がプラスのパワーで満ち溢れている感じがするのは、香港人達の内面から湧き出るパワーのせいなのかもしれない。複雑な過去を持ちながらも人間らしく強くたくましく生きている香港がますます好きになった。

転がる香港に苔は生えない

転がる香港に苔は生えない


お次は、上野うねさんの『香港に引っ越しました。』というマンガ。香港で感じた「?」とか「!」について、「そうそうそう。」「あるあるある。」「へぇ、そういう事だったのか。」と友人と会話しているかの如く、楽しみながらも色々スッキリ学べた。なんというか、香港人って、私が感じるに、いたって普通の人っていう感じがとっても良いなぁと思う。しかも、社会生活を送る上でのマナーもちゃんとなっているし、人間らしく感情を表現できる、ある程度のいい加減さを臨機応変に使い分けている感じがする。その反面、日本人はマナー行き過ぎで、感情を押し殺し、若干人間らしくなくなっている感じがたまにする。うっすらはびこるその空気感がどうにも日本を息苦しくしている気がする。

香港に引っ越しました。

香港に引っ越しました。