レジの袋詰めに思ふ

我が家の最寄駅前にあるのでよく利用する大手スーパーの「Sユー」。少し前からレジ袋が要らない人は2円値引きをしてくれるようになった。そのせいか、マイバックを持ってくるお客さんが激増したように見える。
まぁ、それは良い。私が違和感を感じるのは、レジに2人並んだ店員だ。1人はレジ打ち(というかスキャンする人)、もう一人は袋詰め担当。自分ちから持ってきたマイバックをそのもう一人の店員に渡してスキャンし終わった商品を袋に詰めてもらう。
お客である私達は、その二人の連携プレイをただただジッと見つめるのみ。手際の悪い店員に当たったら、口と手を出したいのをグッとこらえる羽目になる。手際が良くても袋詰めのセンスの違う人に当たったら、それもまたグッとこらえる羽目になる。
駅ビル地下に入っているやや高級スーパー「ザ・Gデン」のレジ店員二人組みもまことに強烈だ。
袋詰め担当の店員は、私の手に持った商品の大きさと数だけを鋭い眼光で確認し、それに見合ったレジ袋を用意、1秒でも早く袋詰めできる体制でスキャンし終わるのを待っている。客である私に目をくれず、、、。
それに負けじと私もあわてて「袋は要りません!」と告げる。と、袋詰め担当の店員は、張り詰めていた緊張がとぎれ、前かがみ姿勢から、上半身はちょっと起き上がり、「ご協力ありがとうございます。」と一言。私の目にはどうも”袋に詰められないがっかり感”が見受けられてしまう。私もなんだか「すみません」ていう気持ちになってしまう。

レジで会計する度に思い出すのがフランスパリでのスーパーの会計システムだ。パリのスーパーでは、私達お客が働く割合が多い。カゴから商品を取り出すのも、袋に詰めるのもお客の仕事。レジの店員は、椅子に座ってピッピッと商品のバーコードをスキャンしてお金の受け渡しをするだけ。
パリを母と旅行中、スーパーのレジ待ちの列に並びながら見た、パリジャンの姿が忘れられない。スキャンし終わったそばから次々と商品を自分のマイカートに詰め込んでゆくスマートで粋な彼の身のこなしに、母も私も言葉を失い、見とれてしまった。会計が終わってさっそうとカートを引き、店を出てゆく長身の後姿を見届けると、母と私は堰を切ったように、「素晴らしい、あぁ、素晴らしい、、、」と興奮気味にそのパリジャンを褒め称えた。
ロンドンやローマや、他の国のスーパーの会計がどんなシステムだったかあまり記憶に無い。ただただあの時のパリジャンの颯爽とした身のこなしと共にパリのスーパーの会計システムが強烈に頭に残っている。どちらが良いと断言しきれないが、フランスパリのスーパーはしみじみ合理的だと思うのだ。