お次は、田中泯

先日ダンスの公演で頂いたチラシの中に、田中泯氏の舞踏が無料にてみられるというありがたき情報を見つけた。世界的に評価されている田中泯氏の舞踏、わけわかんなくてもみておくべきだわ。グレングールドの良さが急にわかったように、田中泯も急にわかるようになるかもしれないしね。と自分で自分を納得させ、会場である新宿区戸山公園までおでかけ。

素敵な管楽器の音楽にフラフラと導かれ、長蛇の列の最後尾に並ぶ。中に混じって、何だか落ち着く人種の列であった。音楽を聴きながら、昔吉祥寺バウスシアターで見たピエールバルーのフィルムを思い出したりした。サ・ヴァ、サ・ヴィアン(bis...) [DVD]


さて本編。
予想通りのわけわからなさ。でも、それがとても楽しくみえてきた。お外ですから、公園ですから、踊手と観客との明確な境が無く、舞台の境もない。踊手は、ゆっくりながらもどんどん場所を移動、坂道を転げ落ちてゆく。200人近くいる観客も、どやどやと踊手一人を見つめながら、移動してゆく。

丘の上から眺めたり、踊手のすぐ隣で、見つめていたり、木に登ったり、丘を走り下っていったり、、、、まるで観客もこの舞踏に加わっているかのようだった。音楽が加わり、スピード感が出るとなおさら、観客の動きも早くなり、それはまるで不思議な200人の集団舞踏だった。


田中泯「生理歩測」